ロクリアン・クロマチック・コンセプト(Locrian Chromatic Concept):1
注1)まず初めに、これはリディアンクロマチックスケールの記事ではないです。
注2)読むにはリディアンクロマチックや倍音の知識が必要かもです。
注3)正式な教育を受けていないので論理的な飛躍がありましたら教えてください。
さて、注意書きから始まってしまいましたがロクリアン・クロマチック・コンセプトの話します。
と書いてすぐ始めたいのですが、基礎となる理論の説明をしていきます。
- ミッシング・ファンダメンタル
簡単に言えば鳴ってない音が鳴っているように感じると言うものです。
(下の倍音は物理現象として存在しないので実際は知りませんが)
初めに、「C3」の音を鳴らしてみます。倍音の「C3、C4、G4」が鳴ります。
次は逆に「C4、G4」の二つの音を同時に鳴らしてみます。
すると、「C3」の音が鳴っているように感じるといった音響心理学の知識です。
- 下方倍音列
これはミッシング・ファンダメンタルを応用したものです。(おそらく)
(※濱瀬さんの著書『ブルーノートと調性 - インプロヴィゼーションと作曲のための基礎理論』に詳しく書かれているそうなので、読んだら分かりやすく編集してみます。)
倍音は「基音×2,3,4...」の音ですが、下方倍音は「基音×1/2 , 1/3 , 1/4 ...」と定義されたものです。
したがって、「G3」の下方倍音は「G2、C2」なので「C」の下方倍音は「F」、「F」の下方倍音は「B♭」です。
- 音の傾性
調性が確立しているとき、スケールの半音関係にある音は半音上、もしくは半音下に着地したい欲求が働きます。
一番有名な傾性は導音「シ」です。「シ」は「ド」への傾性があります。
他に「ド♯」は「ド」への傾性があります。
下の五度圏で説明すると、上方へ着地するときは7つ反時計回り(外向)して、下方へと着地するときは7つ時計回り(内向)していることが分かります。
次からは半音上に傾性がある音を外向傾性音、半音下に傾性がある音を内向傾性音と呼びます。
(「傾性音が上方へ着地するときは5つ内向でも良いのでは?」と考えたけど、上方倍音は外向で作られたから上方着地は7つ外向の方が自然な考えだと思った。)
- ロクリアン・クロマチック・コンセプトに至るまでの考察
五度圏を見ながら、下方倍音を並べるとロクリアンスケールが出てきます。
リディアン(外向倍音)とロクリアン(内向倍音)はトーナル音を中心に対照的なものと分かりました。
さらに音の傾性の観点からこれらのスケールを見てみます。
リディアンには「ファ♯」→「ソ」、「シ」→「ド」の二つの外向傾性音があります。
ロクリアンには「ファ♯」→「ファ」、「レ♭」→「ド」の二つの内向傾性音があります。
(いやいや、ファ♯→ファって傾性は感じた事ないな...って思ったけど、一応ここではこのように定義します。)
スケール内の傾性音から同じコード上でも、音を上行させる時はリディアン、下行させる時はロクリアンと分けて用いるべきだと考えました。
- ロクリアン・クロマチック・コンセプト
ここからはリディアン・クロマチック・コンセプト と同様に、ロクリアントニックを考えていきます。
Cロクリアンの四和音を作ると、
「Cm7-5」「♭DM7」「♭E7」「Fm7」「♭GM7」「♭A7」「♭Bm7」
となり、コード音に「ド」が含まれていないものを消すと、
「Cm7-5」「♭DM7」「Fm7」「♭A7」
となりました。
これから
「コード」・・・ロクリアントニック
と表記すると、
「m7-5」・・・ルート音
「M7」・・・M7音
「m7」・・・5th音
「7th」・・・3rd音
のロクリアントニックを取って弾けば良いと分かりました。
- ロクリアン・クロマチック・スケール
リディアン・クロマチックでは協和音を使って他の代理のリディアンスケールを弾けるように、ロクリアン・クロマチックでも代理のロクリアンスケールでも弾くことができると考えます。
またロクリアンは内向で作ったので、協和する音は順に「B」「E」「A」「D」「G」となりますが、上方倍音(外向)と対照的に定義して作られたので「B」と「G」は不協和とします。
(リディアンクロマチックでの不協和は「C♯」と「F」なので)
ロクリアン・♮3・スケール
「ド」「♭レ」「ミ」「ファ」「♭ソ」「♭ラ」「♭シ」「ド」
ロクリアン・♮6・スケール
「ド」「♭レ」「♭ミ」「ファ」「♭ソ」「ラ」「♭シ」「ド」
ロクリアン・♮2・スケール
「ド」「レ」「♭ミ」「ファ」「♭ソ」「♭ラ」「♭シ」「ド」
これらが代理のロクリアン・クロマチック・スケールと分かりました。
また組み合わせることもできるので、オルタードやホールトーン等も弾く事ができます。
長くなりましたが今回は以上で終わりです。
(書く機会があれば)次回は代理スケールのロクリアントニック探す記事を書きます。